2024/07/26
 ・猫の胃腸間リンパ腫の検査と症状
 ・猫の胃腸管リンパ腫の治療方針
 ・往診でのサポート
 

猫の胃や腸管といった消化管にできるリンパ腫は、消化管腫瘍の半分以上を占めると言われています。一般的には12-13歳の高齢猫での発症が多いとされていますが、比較的若齢でもみられ、幅広い年齢で散見される悪性腫瘍疾患の一つです。
猫の胃腸管リンパ腫の検査と症状
症状としては非特異的で、食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少などがみられます。発症年齢が高齢である場合、猫で多い腎不全や年齢による消化管の衰え、夏バテなどと捉えてしまうことも多い為、発見が遅れてしまう傾向があります。
 また、強い貧血のような所見がなければ血液検査だけでは疑いにくい状況もあり、エコー検査などの精査に進むまでに時間を要す場合もあります。
 腹部にしこりを作るタイプのリンパ腫である場合は腹部触診でも腫瘤を発見できる事があります。
 触診やエコーで発見できた場合、ファーストステップとして針吸引での病理検査が可能ですので、無麻酔で検査することが可能です。
 (その結果判定不能な場合は内視鏡または開腹生検となり麻酔が必要となります。)
 慢性的な下痢のような単純な腎不全とは違うような症状である場合は特に精査をお勧めします。
猫の胃腸管リンパ腫の治療方針
腫瘤が限局する場合は外科手術を行う場合がありますが、リンパ腫は内科治療のみで治療しうる数少ない腫瘍疾患です。生存期間は腫瘍の病理学的、免疫学的な分類と身体が抗がん剤に耐え得る状態であるかによって様々ですが、抗がん剤治療を行う場合、血液検査でのモニタリングをしつつざっくり半年〜一年程度の比較的長期の通院治療が必要となります。
 大変な治療ではありますが、寛解が望める可能性が少しでもあるという点においては積極的に診断をつけるべき疾患だと思います。
往診でのサポート
当院では本格的に抗がん剤治療をする場合はモニタリングを含む通院治療を推奨しています。
 一方で、抗がん剤を継続する上では様々な副作用やそれによる中断期間がある場合もあります。最低でも毎週の通院になりますので、通院がマストである日以外のケアは自宅ですることも可能です。
 また、寛解や延命を目指した積極的なプロトコール以外にも、経口投与のみの抗がん剤やステロイド剤を使うケースも多くあります。それは猫の性格や病状の深刻さ、飼い主の希望にもよりますが、経口投与のみで、基本的に通院はしたくないという場合は自宅での管理は可能です。
 お悩みの方はご相談下さい。
※参考文献:猫の治療ガイド2020. 2020,8,1.p709-712
 
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