2024/12/05
・犬の甲状腺機能低下症の原因
・犬の甲状腺機能低下症の症状と治療
・予後と鑑別疾患(ユウサイロイドシック症候群)

犬の甲状腺機能低下症は、高齢期では非常に多い病気の一つです。猫では甲状腺ホルモンの過剰分泌が問題とることが多いですが、犬では反対に甲状腺ホルモンだ少なくなりさまざまな症状を示します。頻度の多い疾患である一方、内服治療で問題なく天寿を全うできる可能性の高い疾患です。
犬の甲状腺機能低下症の原因
甲状腺ホルモンの欠乏による疾患ですが、多くは自己免疫疾患は疑われるリンパ球性甲状腺炎と原因不明の特発性甲状腺萎縮があります。
稀に腫瘍や外傷などが問題になる場合もあります。
犬の甲状腺機能低下症の症状と治療
症状
甲状腺ホルモンの低下によって、脱毛、ラットテイル、色素沈着などの皮膚症状、外耳炎、活動性低下、肥満、徐脈などが挙げられます。
また、稀に神経症状がみられる場合もあります。
また、血液検査では高脂血症、非再生性貧血がみられることがあります。
治療
治療はシンプルで、ホルモン補充療法が行われます。錠剤か液体の内服薬で、一日1~2回の投与になります。
定期的に甲状腺ホルモン(犬ではfT4)のモニターが必要になりますが、徐々に症状が緩和されることが一般的です。
予後と鑑別疾患(ユウサイロイドシック症候群)
活動性の低下は一週間程度、貧血などは数週間、皮膚異常は数ヶ月改善までに要します。
また、診断の際には「甲状腺以外」が問題となって甲状腺ホルモンが低下してしまう病態(ユウサイロイドシック症候群)がないかの確認も必須です。
甲状腺ホルモンが低い=甲状腺ホルモンの補充ではありません。ステロイド治療や腫瘍疾患などが要因となることがあるため、治療開始の前にはしっかりと検査することも必要です。
※参考文献:犬の治療ガイド2020. 2020,8,1.p471-472
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