2020/12/08
こんにちは、神奈川県横浜市の犬猫の往診専門動物病院・金乃時アニマルクリニックです。
本日は、猫の緩和ケアで比較的多い「猫伝染性腹膜炎(FIP)」についてご紹介します。
「白目の部分や皮膚、耳などが黄色い気がする・・」このような「黄疸」を主訴として動物病院を受診し、猫伝染性腹膜炎(FIP)と診断を受ける猫がいます。
「食欲がない」「よだれが出る」「何度も吐く」などの非特異的な症状と共に来院する場合がほとんどですが、「黄疸」がある場合、いくつかの原因を考え診断を進めていきます。
猫の黄疸の主な原因疾患として、
①「溶血」
②「肝実質障害」
③「肝外胆管閉塞」
に分類できます。
FIPはこの中の②「肝実質障害」に当てはまります。
血液検査や超音波検査によって①や③の除外診断をしつつ、肝臓そのもの(実質)に原因があると疑われる場合、FIPの検査(PCR検査・抗体検査・生化学検査及び臨床症状合わせて)によって診断されます(確定診断が難しい場合もあります)。
FIPが除外される場合は肝臓や胆嚢の生検及び胆汁培養などに進みます。
治療についてはFIPのタイプと症状に応じて投薬を開始しますが、有効な治療法はなく、対症療法で可能な限り延命を図ることが中心になります。
一般的には予後が悪いため、内服薬で在宅療養を選択する猫も多くいます。
FIPの治療では、薬だけでなく日々の強制給餌も重要な要素になります。
また、吐き気が強く内服が難しかったり、定期的に胸水や腹水を抜去しなければいけない子もいます。
FIPに限らず、往診診療では在宅での注射や点滴、胸水や腹水の抜去なども可能です。
がんやFIPなどで在宅での治療・緩和ケアをご希望の方は診療方法の一つとして往診を検討されてはいかがでしょうか。
神奈川県横浜市 犬と猫の往診専門動物病院 金乃時アニマルクリニック
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